中核市の環境福祉行政について
-柏市議会・民生環境委員会 視察報告-
2008. 4.21〜23

 柏市は、今年(2008年)4月1日、中核市へ移行しました。民生環境委員会では、今後の柏市政の参考にするため、他県の中核市の環境福祉行政を視察をしてまいりました。  今回主な内容は、熊本市の総合保健福祉センター、福岡県久留米市では「くるめクリーンパートナー」とバイオマスの活用、長崎市の健康づくり運動「健康長崎市民21」などです。


ウェルパルくまもと  -熊本市-

ウェルパルくまもと 熊本市総合保健福祉センター「ウェルパルくまもと」は、4月1日にオープンしたばかりです。  「ウェルパルくまもと」は、市民の健康と福祉を向上させる中核拠点施設をイメージしたもので、「ウェル」は福祉(ウェルフェア)、「パル」は友達・仲間(パル)を意味しているそうです。

 「熊本市保健所」「中央保健福祉センター」「子ども総合相談室」「子ども発達支援センター」「ウェルパル広場」の5つの機能からなる複合施設です。建物は、地球環境に配慮した太陽光発電や壁面緑化、自然の風を上手に取り入れる工夫がされています。また、バリアフリーや多目的トイレの設置など誰にでも優しい配慮がなされていました。

 施設の設計・建設・維持管理・運営を、民間の資金や技術力を活用するPFI手法により整備したことが特徴的で、22年契約で行います。

 特色としては育児などの総合相談室や障害児の発達支援センターを新設するなど、子どもに関する福祉機能を強化したことです。子ども総合相談室は育児や不登校などの相談について保健師や保育士・心理士などの専門員が対応し、子ども発達支援センターは自閉症などを含めた障害児の相談支援や療育活動を行う専門施設です。
  「子ども総合相談室」「子ども発達支援センター」は同じフロアに位置し、相談から支援までどのように取組んでいったらよいのかを、所属の保育園・幼稚園や学校の先生と共に考えていくそうです。

 「熊本市保健所」では検査業務も行うことから、検査に訪れた方と、相談などで訪れた方が一緒にならないような配慮がされており、安心して検査を受けることができるようになっています。

 「ウェルパルくまもと」は、オープンしたばかりです。これから多くの市民が訪れて、良い面・変更が必要な面がでてくると思います。 1年くらい経ったとき、もう一度お話しを伺いたいと思いました。

参考リンク
「熊本市ホームページ」

愛称「ウェルパルくまもと」 がオープンします
  熊本市広報 市政だよりくまもと 2008年3月号

「 熊本市総合保健福祉センター(仮称)整備・運営PFI事業資料 」

                                   熊本市

「熊本市総合保健福祉センター(仮称)整備・運営PFI事業」

                鰍ェまだすコミュニティサービス

 

「PFI」って何?

 PFI(Private Finance Initiative、民間資金等活用事業)とは、公共サービスの提供に際して公共施設が必要な場合に、従来のように行政などが直接施設を整備するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供できる事業については、民間資金を利用して民間に施設整備と公共サービスの提供をゆだねる手法です。

参考リンク
内閣府PFIホームページ
日本PFI協会
PFIインフォメーション

 

くるめクリーンパートナー  -福岡県久留米市-


久留米市役所 久留米市は、地域での一斉清掃など環境美化の取組が行われる一方で、ポイ捨てや違法なたて看板の設置が耐えない状況から、新しいまち美化のシステムとして全国的に普及しつつあった「アダプト・プログラム」を導入しました。
  「アダプト・プログラム」とは、アダプト・・・「養子にする」という意味で、団体・個人に「公共の場所を養子にしてもらい、里親として面倒をみてもらう」ということで、 公園や道路などの環境美化を請け負う「クリーンパートナー」制が導入されています。

くるめクリーンパートナーのマーク 「くるめクリーンパートナー」は、公共施設の環境美化ボランティア制度で団体や個人に場所を選んでもらい、ごみ収集や草刈など年6回以上作業をしてもらいます。 市では必要な掃除道具の貸し出し、活動中の障害・損害保険料を負担するほか、団体・個人名を書いた看板を立てて、活動をアピールします。

 2002年7月から事業が始まり、丸5年が経った昨年(2007年)7月には登録者が1万人を越えたそうです。お話を伺った環境政策推進課の方は「活動を実際に見て登録された方もいて、さらに多くの人に広めたい。」とのことでした。

 一番大切なことは、「頼まれてやっている・市からさせられている」といった負担感を限りなくゼロにすること、あくまでもボランテイア活動として「 好きなときに、好きな場所を、好きなだけやる」ことだそうです。

バイオマスの活用

 家庭から排出される廃食用油を、デイーゼルエンジンの軽油に変わる燃料にする事業を久留米市では行っています。

 1982年より、筑後川の水質悪化に伴い河川汚濁防止の観点から廃食用油の回収運動が開始され、石鹸や家畜の飼・肥料の原材料やボイラーの燃料などに活用されてきました。しかし、回収量が年々減少。市長からの諮問により「ごみとして焼却するのではなく、リサイクルして有効活用するように」との答申があり、燃料化する課題に取組んできました。

 久留米市と隣接する佐賀県鳥栖市に、廃食用油を燃料に転換することができるVDF化プラントを持つ民間会社が存在したことから、2002年よりデイーゼルエンジン燃料として廃食用油の有効活用を実現するとともに、回収率向上を図ることとしました。

 現在では、廃食用油の年間回収計画を定め、回収を行っていること。 ゴミ収集車などに廃食用油燃料を使い、排ガスのクリーン化を行っているとのことでした。

参考リンク
「久留米市公式ホームページ」
くるめクリーンパートナー
くるめクリーンパートナー・ニュースレター

「アダプト・プログラム」 とは

(有)鳥栖環境開発綜合センター

 

健康長崎市民21  -長崎市-
 国が進める21世紀の健康づくり運動である「健康日本21」とその母子版である「健やか親子21」を進める為に、地域の現状を把握し、住民参加による健康づくりを行うこと。21世紀の長崎市を「すべての市民が健やかで心豊かに生活できる活力あるまちにしたい」という同じ夢を共有し、実現する為の計画が「健康長崎市民21」です。

 長崎市の現状は、・・・基本検診率が低い(2005年度 28.4%) 肥満が多い(男 34.2%  女 26.4%) 高血圧者が多い 医療費が高い(全国2位) など、沢山問題を抱えています。

 健康長崎市民21では、各ライフステージ(年代)ごとに2010年に向けて目標値を設定して取組みを始めています。 各種シンポジウムやイベントなどを行い、健康に対する意識を変え、健康行動の開始(検診の受診など)持続、健康自立意識の確立(改善から予防へ)へつなげていきます。

 特徴は、健康を最終目的と捉えず、それぞれの生活の質を豊かにするために(目指すゴール)必要な資源と考えていること。 計画を専門家中心ではなく、生活者自身である市民中心に行ったことです。

参考リンク
長崎市公式ホームページ
健康長崎市民21

 

視察番外編  -長崎市立図書館-

 柏市では、新中央図書館の建設計画が進められていることから今年(2008年)1月に埼玉県の2つの図書館を視察したことは「新たな図書館の可能性を探る」でもご報告しました。

長崎市立図書館 今年(2008年)1月にオープンした長崎市立図書館を見てまいりましたのでご報告いたします。

 長崎市立図書館も熊本市の「ウェルパルくまもと」同様に建設や運営等に民間の技術力と資金を活用するPFI手法が用いられ、こちらは15年契約とのことです。

 本の管理に最新式のシステムを導入していて貸し出し、返却の迅速化と盗難防止のため、図書をICタグで管理するシステム。自動閉架書庫や本の自動仕分け機、ベルトコンベヤーによるブックポスト自動返却システムなどを導入し、図書館の機能面における自動化を推進していました。ちなみこちらも自動化書庫は川口、さいたまと同じ「日本ファイリング」のオートライブが導入されていました。「日本ファイリング」は柏市に技術センターがあるので機会があればお話を伺いたいと思いました。

 これも最新の図書館に共通することですが、書架の高さが低いということと通路が広いことです。書架が低いと車椅子を使用する方も座ったまま、本が手に取れますし、開放的で居心地の良さを感じました。弱者に対する配慮は、全ての人に優しいものですね。

 現在、蔵書は約32万冊(開架書庫25万冊、団体書庫1万冊、閉架書庫6万冊)でゆくゆくは収蔵可能な冊数、約80万冊(開架25万冊、閉架55万冊)まで近づけていくということでした。

 図書館が建っている場所は、新興善小学校の跡地で、1945年(昭和20年)の長崎への原爆投下の際の被爆者の救護所にもなった場所だそうです。 その救護所を再現した「救護所メモリアル」が図書館の一部に設けられていて被爆地・長崎を象徴していました。

参考リンク
長崎市立図書館
(仮称)長崎市立図書館整備運営事業実施方針(PDF:49KB)

「日本ファイリング」


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